【新華社北京3月2日】中国経済の成長率は4年連続で低下し、昨年は24年ぶりに最低水準にまで降下した。2015年も依然として経済の下り坂の大きな重圧に直面する世界第二の経済体は、どのような成長率目標を自ら設定するのだろうか。それはまもなく開催される全国「両会」の焦点になることは疑いない。
それは策定者層が「中国経済の発展が新常態に入った」と判断した後に開催される第1回目の全国「両会」でもある。マクロコントロールのニーズに照らして、中国の策定者は毎年、「両会」期間に当年の非強制的経済成長率目標を発表している。グローバル市場の関係者はこの数字に注目し、当年のマクロ経済政策の動向を観察している。
例年は大部分において最終的な実質経済成長率はいずれも当初の目標を上回っていた。昨年の中国経済は7.4%の成長率で当初に設定した「7.5%前後」の目標を「下回った」。2012年に中国は7年間、変更しなかった8%の目標を初めて下方修正し、7.5%の目標を昨年まで持続した。
多数の権威のある専門家は、中国経済の成長率目標を適宜に下方修正することは実情と合致しており、中国経済は従来型エンジンのパワーが低下する中で、依然として中高速度の成長率を十分に維持できる新鮮な原動力を備えていると表明した。
各地の「両会」が公表したデータによると、チベットの目標は昨年並みで、上海は「経済の安定成長」が具体的なデータの代替となったのを除き、その他の29省はすべて目標を下方修正した。このうち、12省の下方修正幅は2ポイント以上に達した。
一部の観察者はこれに懸念を示し、一部の西側メディアは中国経済の「崩壊論」及び「断崖論」さえも吹聴し、中国経済は「末路に向かっている」と受け止めている。
一方で、成長率目標の適度な下方修正は、中国経済にとって一部の人々が語る「世界末期」ではなく、「奮起の始まり」と言えるのは、それによって中国経済の構造調整とモデル転換及びアップグレードにより大きな空間が生まれるためだ。
国務院参事室の姚景源特約研究員は次のように述べた。中国経済は新常態に入り、高速成長から中高速成長への転換は、規律性における客観的要求だ。新常態に適応した成長率目標を設定するためには、目標達成への自信を安定させるとともに、全社会を誘導し、改革の全面的深化、成長の質の向上を最重要任務とする必要がある。
李克強総理は1月、ダボス世界経済フォーラムで次のように指摘した。中国経済が長期的に安定した運行を維持するためには、必ず改革の全面的深化に着手しなければならない。政府と市場の「2つの手」を用いて、「2つのエンジン」を形成する。一方で、市場が資源配置において決定的な作用を担い、新型エンジンを育成して形成させる。もう一方で、政府の役割をより一層、発揮し、従来型エンジンを改造し、アップグレードさせる。
新型エンジンを形成させる経路は改革の深化だ。従来型エンジン改造の重点は、公共製品と公共サービス供給を拡大することだ。紹介によると、中国の1人当たりの公共施設資本の現存量は、西欧諸国の38%、北米諸国の23%だけだ。サービス業の水準は同等の発展途上国と比べて10ポイント低いだ。この中には、公共製品とサービスの巨大な空間が埋もれている。
当然ながら、中国経済はさらにより多くの新しい成長ポイントを秘めしている。例えば、目標が巨大である「一帯一路」、京津冀(北京、天津、河北省)の協同の発展、長江経済ベルト3大戦略及び今年にかけて早急に推進する国有企業改革、財税体制などの複数の分野の改革、一日千里のインターネット経済などは新常態のもとで信頼性の高い成長の新たな原動力となっている。
(新華網日本語)
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